実験のおさらい。
氷は空気の中にそのままおいておくより、水の中にいれたほうがよく解ける。水の方が空気より熱をよく伝えるから。よほどでかい氷ならともかく、小さな氷で周りの空気までひんやり冷たくなることはないけれど、コップの水は全体がすぐ冷たくなるのがまさにそれ。
水だけでなく、アルミの板やステンレスの板でも、氷の接してる部分から熱がよく伝わるので早く解ける。
これは義務教育の課程で実験して勉強してるはずだよ。
<続いての実験>
アルミの板の上に氷と、綿にくるんだ氷を置くと、同じ速度で解ける?
これはもうお分かりのとおり、氷のまま置いたほうが早く解ける。氷が解けて水が出てくることで、一気に熱伝導率がよくなるのだ。綿にくるむと直接アルミの板に接してない上に、出てくる水も綿に吸われてしまうので、アルミの板がほとんど機能しない。
最近の冷蔵庫の冷凍機能に、アルミの板がついていて『急速フリージング』とか言ってるやつがあるけど、実はこの原理を利用しているもの。早く解凍できる『解凍ボード』みたいなものも、名前が違うだけで同じこと。早く冷気や周囲の熱を伝えるので、のっけてるものの温度が早く変わるということ。
で、上の実験を考えればわかるとおり、直接水がアルミ板と接してないと解凍する場合効果が少ない。
パックのままの肉や魚をこういうボードに乗せても、綿でくるんで断熱してるのと同じことだから(しかも綿と違って水がいずれあふれて出てくることもないし)、無駄なことをしているというわけ。アルミ板やステンレスの板を使うなら、パックから出して食材とボードが接するようにしようね。
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