
さて、今日は予定を変更してドッグカフェや猫カフェ、ウサギカフェならぬ猛禽カフェ。
個人の好みの話でもあるのであんまり触れたくなくて寝かせていたのですが、いやはや、週末にtwitterでそれ関係の記事が出てましてね。ちょっと気になったので。
←おっとりカラフトくん。
実はここ半年ほどの間に、東京に猛禽を見ながらお茶ができるカフェがいくつかできてます。紹介するのも何なので自力で探してみてください(汗)。一応本の話は以前『動物カフェ』で書いたんだけど。で、数日前にその猛禽が見られるカフェに行って記事を書いたライターさんがいて、これがまたフクロウの可愛い画像や飼い方の話を載せたもんだから、一気にまた「フクロウかわいい!」「フクロウ飼える!?」と盛り上がっておりました。
うん、飼えるんだよ。ただ簡単には飼えないんだよ。簡単に飼える動物だったら、今頃犬や猫以上に普及してるから(汗)。
どこでも電気が使えるようになって、冷凍技術が発達して、どこでも餌を届けてくれる流通ができて、餌を作ってくれる人がいて・・・いろんな人が頑張ってくださってるお蔭で『なんとか、近代になってやっと』普通の人が飼えるようになった動物なんだよね。
まだまだ診てくださる病院も少ないし、誤診されるし(汗)、単純に手がかからないとか餌が安いとか思ったら大間違い。

(思ってたより)簡単。(考えていたより)手間がかからない。←この()の部分が省略されて伝わるとまずいんじゃないのかなぁ。
まぁインタビューがどういう形で伝わってどういう記事になるかなんて、発行されるまでわからないので(自分も新聞に取り上げてもらった時に、話したこととまるで違うこと書かれたことがあったよ)、お店の責任うんぬんということではなくてね。ここ間違えないでね。読む人の受け取り方だって千差万別だし、100%予防線を張ることは難しいことだから。
コーヒーが美味しいカフェ。いや、カフェとしては至極当然のことなんだけれども(笑)。→

こういうことを書くと、必ずと言っていいほど
「簡単なのに難しくして自分たちフクロウの飼い主を特別化しようとしてる」
だの
「小難しいことばかり言って面倒くさい人種」
とか言う人が湧いてくるんですが・・・まぁ致し方なし。難しい動物だって言われて飼うのをあきらめるようなら、最初から飼わなきゃいいんです。飼うためにどうするか考えて克服できないなら仕方ない。その動物は自分に合わなかったということだから。
むしろ「簡単だ」という言葉に乗せられて、ヒヨコやウズラ胸肉だけとか偏った栄養で飼った挙句、栄養失調で歩けなくなって病院に連れて行きたくてもわからなくて死んじゃうとか(ヒヨコやウズラが悪いと言ってるわけじゃないですよー)、体重も測らずに好きにさせてたら、急にやせ細って死んじゃったー、とか(実際急にやせることはなくて、気付いてないだけ)、大型のミミズクを飼ったら、突然ペットや家族に襲いかかってきたー(猛禽だよ、襲ったら危ない動物だよ)とか、なんかまぁ問題が起きてからじゃ遅いのです。即死しなくても死にそうになってるフクロウは沢山いると思います。飼い主が気づいてないか、ネットなどの見えるところで明らかにしていないだけ。みんないいことしか言わないから。
うちでは野生のUral owlを何度か預かってたこともあって、臆病で滅多に人を襲わないけど、襲ってきたら簡単に手に穴が開いて流血して危ないことを知ってるので、口を酸っぱくして「フクロウと他の動物(他の種のフクロウ含む)を一緒に並べて飼えると思わないでー」とか言ってるわけです。大人だから手に穴が開いても「イテテテテテテテ!!」で済むし、自分で消毒したり血止めしたりできるけど、これが子供や子犬だったらどうなるか、考えたら恐ろしいことじゃないですか。猛禽の隣に他の鳥(フクロウ含む)を置いたら、そりゃ単なる餌としか思わない個体だっているでしょう。危ないものは正しく怖がるべき。
猛禽のカフェで見られるフクロウたちは本来のフクロウとはちょっと違うんですよ。説明ないけど(汗)。
今は人慣れしたフクロウがほとんどで、カフェにいるのは当然こういう一見愛想のよさそうな鳥ばかりですが、これも実は訓練して慣らしたんじゃなくて、生まれつき人間がそばにいたからなんとなく仲間だと勘違いしてるだけ。アヒルの雛が動く機関車のオモチャを追っかけて行くアレだと思ってください。人が嫌いになる個体もいるし、もともと親が育てて人間が手をかけていなければ、いくら売られているフクロウでも人とは一線を画すことが多いのです。あと、梟生をあきらめきったフクロウも中にはいます。
まぁ、言い出すとキリがないので、拙著『フクロウ飼ってます!』を借りてでもいいから読んでみてほしいのです。よく聞かれそうなこととか、お店で言わない都合の悪いことなんかもそのまま書いたから。
「聞かれないから答えない」人には、聞く側が知ってないと聞けないんですよ。勿論そこに書いてあることが100%正しいとは限らないし、いろんな意見の人がいます。わからないことは自分に聞いてもらえれば、どうしてそう考えてそう行動したのか、根拠をお伝えすることくらいはできますけどね。最終的に判断するのは飼う人本人だから。
フクロウ飼いにも何か知らないけど派閥があって、明らかに管理人はマイナーな方です(笑)。他の飼い方を罵倒する声がでかいだけのヒトかどうかを見極める力も大切ですぜ。人間関係も大事だけどね(コソッ)。
東京に行ったときにいくつか猛禽のカフェを回ってみたけれど、自分はフクロウの表情を見て、「あの店はいいけど、あの店はちょっとなぁ・・・」と参考にしてます。やっぱり嫌な顔してしょんぼりしている展示をしているお店は好きじゃない。フクロウの表情がわかる分、見ていて辛い。しょんぼりしてない元気なフクロウもいるけどお客さん(の扱い)がちょっと、ってお店も中にはあったりするけど(汗)。
この状況、実は10年くらい前にペットショップでフクロウがもてはやされて、どこの爬虫類ショップでも、下手をすると町場の小さなペットショップですらフクロウが並んでいて、ガリガリに餓死しそうになって諦めきってるフクロウを見て心を鬼にして帰ってた頃を彷彿とさせるんですよ。あの後、「簡単に飼える」って言葉に騙されて、餓死したり栄養失調になるフクロウが続出しましてね・・・。今回のブームでその二の舞になって欲しくない・・・。
以前はペットショップという一線があったけど、今度はカフェだから。誰でも簡単に入ってお茶を飲める、それこそ動物を飼う気がない人でも簡単に入っちゃえる場所だけに、販売するときはきちんとくどいくらいに説明をしてほしいし、そこまで説明しても飼う気がある人にだけ命を預けて欲しいと思うのですよ。
今あるお店がどうこうではなくて、今後こういったお店がちゃんと飼い主さんに指導しつつやっていくことで、いいフクロウのコミュニティが出来上がることを願うばかり。
フクロウを飼いたいと思った人は、(思ってたより)簡単。(考えていたより)手間がかからない。←この()の部分を是非考えて、いろんな人の話を聞いてほしいと思います。
毎度年寄りの小言で済みません(汗)。
ウチからの徒歩圏内にも2件あるっす。
1回行ったお店でも、暫くたってまた行ってみたら状況が変わってますよん。
まぁ… そりゃそうでしょ〜ね。
見ているだけのお店より、触らせて貰えるお店のが客は増えるでしょうし。
その差を店側が理解したら鳥への扱いも変わりますわね。
人間が耳を塞ぎたくなるくらいの奇声が飛び交う中で鳥達が寛げるようになるまで我慢させて慣れさせるのもなんか痛々しい…です。
動物達が辛い思いをしている処は少なくないと思います(ノ△・。)
きちんと、経営されている処もあるのは理解しておりますが、
そういった処は少数な気がしてならないです(汗)
その場で見て聞いた事だけで、自分にもできると衝動的に行動を起こすのは本当に止めて頂きたいですし、
お店側でも、購入を検討する相談をされたのなら真剣に答えて欲しいと切に願います。。。
本当にブームは良し悪し有りですよね。。。
徒歩圏内に2軒って、うれしいようなうれしくないような(汗)。お店の質次第かな。
まぁみんなが飛びついて飛ぶように売れるとなったら、お店の方針も変わるでしょうね。今年の冬に餓死梟が増えないといいけど。
ここ何回かの上京で行けたお店にもいいところと好きじゃないところがあって、ほんと今後どうなるかなぁ。なにごともなくゆっくり浸透してほしいけど。
>ろびんさん
こういうのって、なんか丁度時期が重なるのか、出だすと次々出ますよね。鷹匠茶屋さんが結構古かった気もするけど。
その場で見て、扱いやすい子に飛びついて飼うのもなんだけど、他で探して厄介な子を押し付けられるのもなんだし、なんだかとっても悩ましい。
ほんと、一過性のブームじゃなくて、本気でちゃんとしっかり飼うブームが根付くことを望む。
以前こちらで紹介されていた動物カフェの本、すぐ買って読んでみました。今は 動物+カフェ がブームなんですね(^o^)
「徒歩圏に2件」と言っておられる方もいて↑、羨ましいww!なんて思っちゃいましたが、しょんぼりして元気がないフクロウを見るのは、つらいですね…(>_<)
フクロウの素晴らしいさを知ってもらいながら、飼育管理の向上を図るための情報交換もできるカフェだと、理想的だなぁなんて思いました。
ほんと、動物カフェなんて田舎の方にはないのでうらやましい限りなんですけど、元気がない動物は辛いかも(汗)。
仰る通り、猛禽類の素晴らしさを多くの人に伝えてもらって、情報交換できる場になってくれるといいんですけど・・・。
括弧書きの部分、(まだ飼っていませんが)本当にその通りだと思いました。
飼いたいと願い続けてはや数年。
ネックは「本当に自分のもとに来てもらって、安心して暮らしてもらえるか?」の一念です。
先日猛禽Cafeに足を伸ばして参りましたので、余計にそう思うのかもしれません。
初めましてのくせに、何だかえらそうな事ばかり言ってしまいました。。。
本日も勉強になりましたm(__)m
初めまして。
色々考えて、調べて、それで飼う人はあんまり心配してないのですが・・・「簡単に飼える」って言葉にだまされちゃう人が多いから、本当に気を付けてほしいのです。犬や猫と比べて簡単って言う話は確実に疑ってかかるべきだと思います(笑)。
人によって「簡単」の基準も違うし。そういう意味で、実際に実物を見て、お店の人に気軽に話を聞けるカフェはありがたい存在だと思うのですけどね。
答えられるかわからないけど、何かあったらお気軽にお尋ねくださいー。
本のお買い上げありがとうございます。
本当に、なんで餓死するんだろうと思いますけど、食べてても餓死しちゃう状態がありますからねぇ。獣医さんもよく「なんで管理できないんだろう」と首をひねってますよ(体重や鳴き声に注意を払ってないから)。
モリフクロウさんがおっしゃられること、何となくですが良くわかります。容易に落鳥するとかしないとか以前に、人とは異なる動物と暮らし、その命を預かるということを、自分なりによく検証してから行動に移す(飼育する)のが正しいのではと思います。
単純に雑誌の記事や人の話だけを鵜呑みにするのは、やはり生命に対して不謹慎・不誠実のように感じます。
私はまだ猛禽カフェに行ったことはなく、今度様子を見に行こうと思ってはいますが、かわいいだけならせめて動物園やカフェだけで終わってほしいなぁと思います。
ファンが増えるのは素敵なことかもしれませんが、ブームは遠慮したいです。
モリフクロウさんのおかげで、自分と共に暮らす生命に対して改めて初心に帰ることができました。ありがとうございます。
色々な方がいるとは思いますが、お体を大切にこれからも引き続き思慮深い記事を執筆してください。よろしくお願いします。
フクロウ飼いたい熱に冒されている人だと、もう何を言ってもいい話しか聞かないですから、何故か他の鳥や動物を飼っている人の方がわかっていただけるという(笑)。ありがとうございます。
『口うるさい』と管理人が言われるのは全然構わないので、なんとか少しでもフクロウたちのことを考えてくれないかなー、と思いつつ。
本当に今ブームで、その分あちこちで同じ(困った)話を何度も聞くので、本当に売るときどうしてるのかなぁと心配になりますね。最悪死んでしまうし。
買う方もいい話だけに騙されないでほしいなぁと思います。